ベビー用製品は使用不可
ウサギの身体やケージ内の清掃において、「ヒト用、特にベビー用なら低刺激で安全だろう」と推測して使用している飼主さんがいます。
しかし、それは大きな誤解です。
一般的に、ベビー用の水性製品(ローションやシャンプーなど)は、ヒトの皮膚に近い弱酸性(pH 4.5~5.5)に調整されています。
むしろ、多くの場合、大人用製品(pH 5.5~7程度)よりも酸性寄りです。
これは、大人の皮膚にはある程度のバリア機能が備わっており、多少アルカリ寄りでも耐えられるためです。
一方、ウサギの皮膚は弱アルカリ性(pH 7〜8)とされており、ヒトとは皮膚のpH環境が大きく異なります。
このため、ヒト用の弱酸性製品は、ウサギにとっては刺激となり得るのです。
特に、「ベビー用=低刺激」というのはあくまでヒト基準の話です。
その基準をウサギに当てはめてしまうと、かえってウサギの皮膚環境から大きくかけ離れた(より酸性寄りの)製品を使うことになり、予期せぬ肌トラブルを引き起こすことがあります。
たとえば、陰嚢の炎症。

実際に、ある飼主さんは、日常の衛生管理にベビー用製品を使用していました。
そのウサギは陰嚢に炎症を起こし、結果的にヒト基準の“低刺激”製品が原因で、皮膚トラブルを誘発したと推測されます。