ノウサギ体型
研究データや科学的根拠があるわけではありませんが、私の印象では、四肢が長いウサギはすばしっこい子が多いように感じます。
もちろん、走る能力は四肢の長さだけで決まるものではありません。
筋肉量(特に後肢)、アキレス腱などの腱の弾性、骨盤の形状、体重、神経・反射速度など、さまざまな要素が複合的に影響します。
一般に哺乳類では、脚が長いほどストライド(歩幅)は大きくなる傾向がありますが、一方で脚が長くなると回転慣性が増し、加速や方向転換には不利になることもあります。
ペットのウサギは、品種改良によって体型が大きく異なります。
例えば、ネザーランドドワーフは脚が短めですが、驚くほど俊敏な個体もいます。
一方、ベルジアンヘアは四肢が長く細身で、ジャンプ力や走行能力に優れる品種として知られています。
話は逸れますが、ベルジアンヘアには「ノウサギとアナウサギを交配して作られた」という逸話があります。
しかし現在では、ノウサギ(Lepus属)とアナウサギ(Oryctolagus属)は属が異なり、染色体数も一致しないことから、生殖学的に交雑は不可能と考えられています。
実際に信頼できる交雑成功例は報告されておらず、分子遺伝学的研究でも、ベルジアンヘアにノウサギ由来の遺伝子が見つかったという証拠はありません。
それでも私は、ノウサギのような体型のウサギは非常に活発で、すばしっこい印象を受けます。
ノウサギは巣穴を持たず、地上で生活するため、アナウサギ以上に捕食者から逃げる能力が求められてきました。
その姿に似た体型を見ると、つい「運動能力が高そうだ」と感じてしまいます。
また、ネザーランドドワーフといっても、すべてが「丸顔・短足・ずんぐり」ではありません。
長年の品種改良によって作られた品種なので、同じネザーでも体型には意外なほど幅があります。
今日来院したネザーランドドワーフも、そんな一匹でした。
後肢がやや長く、立ち姿は高め。首も比較的長く、頭部が前方へ伸びた印象で、胴も詰まった感じではなく細身。耳もネザーとしてはやや長めです。
毎日の診療でも、このような「ノウサギ体型」のネザーを時々見かけます。
科学的に「四肢が長いほど俊敏」と証明されているわけではありませんが、こういう子は押し並べてすばしっこく、診察中も油断のできない元気者が多いように思います。

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