ドッグフードを食べた
ノワールは、4歳の去勢済みミニレッキス。

1ヶ月前からマルチーズとの同居が始まり、以来、しょっちゅう張り合っている。
互いに飼主さんの愛情を独占したいのか、それともボスの座に君臨したいのか――とにかく、何かと競い合っている。
ウサギは一見おとなしく見えるが、実は社会性・縄張り意識・優劣意識が意外なほど強い動物だ。
その感情は、相手がイヌであっても向けられる。
そんなノワールが今日、ドッグフードを食べてしまい来院した。
考えられる彼の心境はこうだ:
①「ライバル意識」や「対抗行動」
犬が食べている=「自分のテリトリーにある価値あるモノ」
それをあえて奪い、口にすることで、優位性を主張しようとした可能性がある。
特に、ウサギ自身が「自分のほうが上」と感じている場合、これはマウンティング的な行動と見なすこともできる。
②「優越感の確認」や“あてつけ”
ウサギは意外と感情的な動物で、嫉妬やあてつけのような行動も見せる。
「お前が食べてるそれ、別に私だって食べられるし」――
あえて犬の持ち物に手を出すことで、“余裕ある態度”や“犬への関心の引き寄せ”を狙った可能性もある。
③「注目を集めたい」行動
飼主さんが犬に食事を与える様子をいつも観察していて、
「自分も同じことをすれば注目される」と学習していたのかもしれない。
競争的な関係の中で、「犬と同じことをすることで自分も愛されたい」という“かまって”行動の一種と考えられる。
相手はマルチーズ。
体格的には、申し分のないライバル。
この小さくも熾烈な闘い――その行方に注目です。