ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち
『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』は、イギリスの作家リチャード・アダムズによる児童文学で、1973年にカーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞した傑作です。
しかし、日本では長らく絶版状態が続き、入手は古本市場を探すしかない状況でした。
収集癖のある私は、6年前にその存在を知り、あらゆる手を尽くして入手しました。

現物は上下巻で総847ページ。
児童文学とはいえ、昨今の本離れが進む世相を考えると、手に取る人は決して多くないかもしれません。
そこで朗報です。
本作を原作としたアニメ作品が、6月4日にHDリマスター版ディスク販売されます。
このアニメは、原作がダブル受賞を果たした翌年の1978年に、イギリスで制作されました。
以下、作品の説明をそのまま引用します。
環境破壊、社会風刺など、時代を超えて現代社会にも通じるテーマ。
ディズニー作品とは異なるタッチのリアルなアニメーションが特徴。
野ウサギたちを待ち受ける苦難と残酷な現実。
人間による乱開発で滅びゆく野生動物、外敵との血生臭い闘い……。
容赦なく描かれる本作は、現代を生きる私たちにも突き刺さる内容となっている。
ワクワクする内容ですね。
しかし、獣医師の立場から、ひとつだけ訂正を。
本作に登場するウサギたちは、「アナウサギ」であって、「野ウサギ(ノウサギ)」ではありません。
ノウサギは、巣穴(ワーレン)を掘ったり、群れ(コロニー)で生活する習性を持ちません。
つまり、本作のウサギたちは、皆さんが飼っているペットウサギの祖先にあたる、正真正銘の「アナウサギ」の物語なのです。
どうです?
更に親近感が湧いてきませんか?
観たらぜひ感想を聞かせてくださいね!