みくびっていました

「7月5日に大災害が起きる」――
どこぞの千里眼の予言が、SNSを通じて話題になっているらしい。

昨日(金曜)の午後。
いつもなら比較的ゆったりしている時間帯なのに、なぜか診察が立て込んだ。
仕事を終えて片づけながら、「もしかしてみんな、明日は来たくないから今日のうちに来院したのかも」なんて、スタッフと話していた。

そして迎えた今日。

朝から絶え間なく患者さんが来る。
気になって「待合室でどれくらい待ってました?」と尋ねると、「1時間くらいかな」との返答。
手際とスピード重視の当院では、めったにない長時間待ち。
結果的に、午前の診療だけで40匹以上を診させていただいた。

――みくびっていました。

過去には、大型台風の直撃中に、”爪切り健診” のため来院された猛者が何人もいた。
そんな時でも、ウサ飼いたちは天災なんてどこ吹く風。
ましてや、天気予報よりも当たる確率が低そうな“予知夢”なんて、「無視!無視!」というスタンスなのだろう。

そういえば――今から40年近く前、学生時代の夏休み。
「9月1日に富士山が爆発する!」という予言が、週刊誌などで話題になったことがあった。
正直、私はそんなものまったく気にも留めなかった。
「百歩譲って本当に噴火したとしても、名古屋なら大丈夫でしょ」と軽く考えていた。

ただ、9月1日封切りの映画(何だったか、どうしても思い出せない)を観たくて、始業式をサボって映画館へ。
翌日、一日遅れで登校したら――

「さかいは富士山の爆発が怖くて、始業式休んで家で震えてたらしい」

……という噂が流れ、散々イジられた。
あのとき、笑いながら否定しつつ、だんだん本気でキレちゃった記憶が、ふとよみがえった。

……来院された皆さんは、どうか怒らないでくださいね。
むしろ私は、そんな皆さんの行動力と覚悟を、ちょっと誇らしく思っているのですから。

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