そこからが勝負です

ウサギの子宮癌(特に子宮腺癌)は進行が早く、発生から数カ月〜1年程度で肺に転移することが多いとされています。

血尿やわずかな元気消失は見過ごされがちで、呼吸の異常が出てから初めて来院されるケースも少なくありません。
初診で触診とレントゲンを撮っただけで、まさかの診断を告げられ、ショックのあまり涙を流す飼主さんも多いです。
その後の私の説明が、すんなりと頭に入らないのも無理はありません。

でも、実はそこからが大切なのです。

肺、あるいは全身に転移した末期癌。
——だからといって、大切な愛兎の「これから」を諦めますか?
寿命を迎えるその時まで、少しでも気分よく過ごさせてあげたいと思いませんか?
もしそう願うなら、できることはすべてやり切りたいと思いませんか?
そうすれば、悲しみだけでなく、きっと良い思い出も残せると思いませんか?

泣く時間は、後からいくらでもあります。
今は、愛兎とともに一発勝負してみませんか?
もちろん、末期癌は治りません。
勝ち負けでいえば、負けが決まっている戦いです。
でも、「やってやろう」と思える飼主さんは頼もしいはずです。
それこそが、愛兎のリーダーとして、最後まで寄り添う覚悟なのだと思います。

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