あー、しまった! 残念。。。
先日、両眼球突出と呼吸困難を訴える患者さんが来院されました。
息も絶え絶えで切迫した状態。
診察中に万が一の事態が起きないよう、急いでレントゲンを撮り、患者を落ち着かせました。
この状況では、診察の要点はただひとつ・・・いかに効率よく無駄を省き、迅速に行動するか。
それが問われます。
ちなみに、獣医師なら冒頭の症状を聞いただけで「ああ、たぶんこれか、あれか、それだな」と、2〜3の病名が浮かぶもの。
実際、診断自体はそこまで難しくありませんでした。
レントゲンも、飼主さんへの説明や診断の「証拠」として活用するためのものでした。
結果は予想通りの心臓疾患。
薬を処方し、その後の経過を観察することに。
そして、2週間後、患者さんが再び来院。
飛び出ていた両眼球はきれいに収まり、呼吸も落ち着き、食べられなかった牧草を摘むまでに回復していました。
飼主さんも「こんなに元気になるなんて」と、嬉しそうに報告してくださいました。
ただし、この薬は病気を根治するものではなく、症状を和らげるためのものです。
薬を飲み続ける必要があるため、飼主さんには病気の性質を正しく理解してもらい、今後も変わらず愛情を持ってお世話していただきたいと思っています。
さて、ここからは私のちょっとした「しまった話」。
実は、この病気の患者さんが来院したら、真っ先に症状の画像を撮らせてもらおうと以前から密かに狙っていたんです。
診察時に飼主さんへの説明用として使うために。
でも、いざ緊急事態となると、そんな計画はすっかり頭から吹っ飛び、「治療優先!」の意識で動いていました。
患者さんが落ち着いた今になって、「ああ、撮っておけばよかったな」とひとりで残念がっています。