あっという間ですが

当院の爪切り健診は、飼主さんからすると「あっという間に終わった」と感じられるかもしれません。
しかし、短時間で済むのには理由があり、実はそのわずかな間にも、ウサギの体をしっかりと診ています……のつもりです。

まず、体重を測定し、過去の記録と比較して増減を確認します。
続いて背中を触診し、張り具合や補水状態、筋肉量をチェックします。
腹部では、胃、盲腸、子宮(雌の場合)、膀胱、必要に応じて腎臓まで、細かく触れて異常がないかを確かめます。
触診中にウサギが緊張して呼吸が早くなるため、その呼吸の状態も観察しています。

その後、タオルで包んで爪切りを行うのですが、その前に股間部分(雄:陰茎・睾丸、雌:膣)のチェックや、尾の腹側にたまる毛玉の確認・除去も行います。
爪を切りながら、四肢の緊張度、反発力、各関節の状態も同時に評価しています。

爪切り後には、顔を耳→目→口の順に診ていき、結膜の充血具合を確認して貧血の有無をチェックします。
最後にもう一度、顔つきや緊張度合い、呼吸の状態を確認し、必要があればさらに詳しい検査を飼主さんにご提案しています。

短時間で健診を終わらせるのは、ウサギにかかるストレスを最小限にするためです。
また、毎回「ウサギがキレる前」に診察を終えることで、少しずつ病院に慣れてもらえば、将来的にレントゲンや血液検査、超音波検査などもスムーズに行えるようになるし、手術・入院となれば、そのストレスもある程度軽減されると考えています。

……と、いろいろと細かく言い訳がましいですが、
それでも実際、診察にかかる時間は「本当にあっという間」です。
私もその辺りは自覚しておりますので、診察費は抑えているつもりです。
どうか許してくださいね。

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