強制給餌教えます
ウサギは食欲不振が長期間続く(一般的には2日程度)と、自力では立ち直れず、命に関わる状態に陥ります。
一昔前は、普段から食べている様々なモノから、ウサギの味覚に訴えるモノをチョイスし、なんとか食べてもらい、自発的に食欲を復活させる方法を取っていました。
しかし現在では、ウサギに多彩な食べものや、好物な炭水化物を食べてもらうことは、弱った消化管や腸内細菌にさらなる打撃になるので、この方法は否定されています。
それでは、ウサギが食べなくなったらどうするか?
ウサギ専用の消化に優しい流動食がありますので、それを強制的に与えます。
強制的にこの餌を食べさせることによって、消化管運動と栄養吸収が再開されます。
数日間処置を続けることで、ウサギは採餌リズムを取り戻し、やがて自発的に日常の餌を食べ出します。
強制給餌といえど、決して拷問のような手段ではありません。
ウサギにとって大好物が得られないだけで、病気療養中の餌として最適なモノを投与するので、やり方さえ上手くやれば、ウサギはスムーズに受け入れる筈です。
強制給餌の手技は、飼主さんと愛兎とのキャッチボールのようなもので、互いの息が合ってくると、絆が深まった感じがして嬉しいものです。
当院では診察時に実演して教えますので、殆どの飼主さんがマスターしています。
ちなみに下の画像は、本日強制給餌初体験のウサギ。
怒りながらもスムーズに食べてくれました。
飼主さんも身近で見れたので、頑張ったら必ずできます。