U.W.F.外伝

総合格闘技黎明期にプロ格闘家を志し、タイガージム、シュートボクシング、正道会館、リングス、K-1のリングでガチンコの戦いを実践、そして一時はプロレス愛を確かめるため、みちのくプロレスにも参戦した経歴を持つ異色の総合格闘家、漫画「グラップラー刃牙」の主人公・範馬刃牙のモデルともいわれる平直行による自伝書。

著者が格闘家として成長していく過程で出会った師匠、佐山聡、前田日明、シーザー武志、石井和義、カーリー・グレイシー、アンディ・フグとの、マニアでも初見の興味深い、感動するエピソードが満載。

著者の性格なのだろうが、従来の暴露本に有りがちな陰口、悪口が一切ないのが、読んでいて心地いい。

95年当時、門外不出だったグレイシー柔術を最も早く学んで、習得した術を確認するために挑んだ「K-1 リベンジ2」でのヤン・ロムルダー戦が、著者の全盛期であり、本書での山場でもある。

グローブを装着しない素手での戦いは一見バイオレンスだが、そこに至るまでの過程を本書で読めば、感動的な物語として鑑賞でき、それは本書を読んだマニアだけが得られる特権だ。

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