2011年の棚橋弘至と中邑真輔

1984年のUWF」の著者柳澤 健の最新著作。
新日本プロレス低迷期から現在の再浮上までの道筋を、当時の若手棚橋・中邑両選手の成長を軸に述べたノンフィクション作品。

本書はN師匠から課題図書としてプレゼントされたものだが、果たして、がっちりシナリオに固められアドリブが排除、選手の情念が封印された現在のプロレス否定論者の私は、最後まで読み進めることが可能か心配でした。

が、それは杞憂に終わった。

デビュー間もなく総合格闘家としても実績を積み上げ、キャリア2年で毒サソリ・アレクセイ・イグナショフに勝つほどの実力者だった中邑選手が、如何にクネクネして「イャオッ!」と叫ぶ、一見して色物レスラーに変貌したのか?
説得力十分で感動、昭和プロレスファンの酒の肴になり得る物語が、本書には当時の関係者の証言とともに明かされていた。

今のプロレス会場に押し寄せる観客も本書を読んで、想像力を膨らませ、深く洞察して試合を観戦することはあるのでしょうか?
昭和プロレスファンを排除しながらも、新たなマニア層を作ることが、現在の繁栄が持続する要だと思う。

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