鉄人 ルー・テーズ自伝

16歳のデビューから、74歳での引退まで58年間現役生活を続けた、20世紀最強のプロレスラー「鉄人」ルー・テーズの1995年に上梓された自伝。
何故にこんな古い書籍を今頃読んだかというと、これをネットで読んだから。

強さを追求したテーズの道のりと共に、当時のアメリカのオーセンティックレスリング、即ちストロングスタイルの源から、その流れも知ることができる貴重な回想録だ。
各章ごと、テーズ提供の画像資料と、本書の訳者でありプロレス評論家でもある流智美氏の丁寧な解説付きという、もう至れり尽くせりのアメリカプロレス黄金時代の第一級歴史資料。

テーズの長い現役生活において、数名のライバルが挙げられており、一ファンとして「神様」カール・ゴッチとのエピソードとその評価を期待したのだが、思いのほか少なくて拍子抜け。
デーズ自身はゴッチよりもビル・ロビンソンを評価しており、当時のレスラー仲間でフッカー(引っ掛ける技を熟知している男)と恐れられた彼との試合をベストマッチの一つとしているのが興味深い。
両者とも観客に見せる、バックドロップ、人間風車という見栄えの良い技を持ちながら、レスラー間の実力査定として関節技の卓越した技術を備えていた。
もしや、両者の試合動画ある? とネットを漁ったが、残念ながら見つからず。
代わりにテーズの惚れ惚れする関節テクニック集発見。

本書の最終ページには、1992年に来日したテーズの驚異の芸当を捉えた一枚が。
こんな80歳のジジイいないわ。

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