爆弾小僧死去
80年代、初代タイガーマスクとの名勝負で、プロレスファンどころか一般大衆まで沸かせた英国のプロレスラー ダイナマイト・キッドが亡くなった。
12月5日60歳の誕生日だったそうだ。
1975年に17歳でデビューし、1991年に引退するまでの16年間、プロレスラーとしては心許ない上背を補うために常用していた筋肉増強剤、激しい戦いから生じる激痛を和らげるための鎮痛剤連用によって、引退後は車椅子生活になり、当時の惚れ惚れする肉体は完全に消え去っていた。
しかし、本人が2001年に上梓した自伝には、身体が壊れることを承知の上で、極上の試合を観客に提供するプロの矜持と、そこには一切の後悔が無いことが語られていた。
四半世紀前に引退した一外国人レスラーの死亡記事が、今朝の新聞に掲載されるほどなのだから、彼の心意気は実ったのだと思い、ファンとして泣けるほど嬉しい。
全盛期の超人ハルクの如くパンプアップされたザ・ブリティッシュ・ブルドッグス時代も良いが、マニアな目線で選ぶなら、やはりこれでしょう。
と思ったけど、やはりこれも外せん。
どこか職人気質の、黙して強さを追求する、男惚れするプロレスラーだった。
R.I.P.