死体格差

N師匠推薦書。

法医学の現場で20年にわたり死体と向きあい、現在兵庫医科大学法医学教室の主任教授を務める西尾元氏の著作。
氏の法医学教室で解剖してきた遺体全体の約50%が独居者、20%が生活保護受給者、10%が自殺者、30%が精神疾患患者、5%が認知症患者であるといい、それらの死因究明ばかりでなく、生前の姿をも推測する法医学の現場エピソード集。

様々な死因による死体変化は、仕事柄非常に興味深く、実用性は無いが、ちょっとした勉強をした気分になりしまた。
法医解剖の実施率が都道府県ごとに大きく異なるというのは驚きで、更に司法解剖といっても解剖医によって手技内容が異なるらしい。
だとすれば、本書で明かされている法医解剖が最も少ない県では、未熟な解剖が実施され、原因究明に至っていない場合もあるのでは?
それってなかなか危ない情報開示のような気がする。

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