心残りは…

いまハマっている池部良のエッセイ集。
時代は、著者が明治学院中学部に入学した1930年から、二枚目俳優として活躍した1980年まで、戦後日本映画界の様々なエピソードを語った半世紀になっている。

年齢的に当時の映画作品については殆ど無知、だから登場人物にしてもほぼ知識のない状態で読み進むのだが、それでも当時の映画制作現場の活気、無茶振り、それに応える著者の若々しさが、青春していて面白い。

本書は日本経済新聞と東京新聞にて、1997年から2000年まで連載されたエッセイを纏めたものだが、当時著者はなんと80代。
80代にしてこれだけ若々しいエッセイを、しっかりした記憶力で書き上げる能力に驚いた。

本書はアマゾンの中古本で1円で購入したのだが、巻末の「文庫版あとがき」に著者の賢弟が獣医師であることが述べられていて、父親からの忠告として「”先生と呼ばれるほど馬鹿でなし” を知る」には、心が抉られる思いをした。
自身への戒めとして心に留めたい。

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