山の上ホテルの流儀

N師匠のゴールデンウィーク課題図書第2弾。
2011年上梓、著者は山の上ホテル現社長の森裕治で、プロフィールによれば同世代人。

東京御茶ノ水、駿河台の高台に建ち、昭和29年の開業から多くの作家に愛されたクラシックホテル・山の上ホテルの歴史、創業者の吉田俊男、それを引き継いだ現社長の物語。
本館・別館合わせ74しかない客室に、正社員だけで260人の従業員、7つのレストランと3つのバーを持ち、心と体を駆使したサービスを提供してきたホテルの真髄が語られている。

開業以来の歴史のなかで宿泊してきた多くの作家、川端康成、三島由紀夫、野坂昭如、開高健、池波正太郎、そして現在なら伊集院静らのエピソードを期待して読み進めたが、気がつけば創業者の吉田俊男の話が一番興味深かった(そりゃそうだ彼が建てたホテルの物語なんだから)。
なかでも第4章、雑誌に掲載された吉田作の広告コピー集に、小規模で心に響く商売を営んでいく極意のようなものを見て、私的に畏れ多くも共感として受け止めてしまい、甚く感動してしまった。

いつか訪れてみたい。

1つ星 (まだ評価がありません)
読み込み中...

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ