全身芸人 本物(レジェンド)たちの狂気、老い、そして芸のすべて
登場する芸人、最年少が1938年生まれで、戦後の厳しい世界を逞しく生き抜いてきた人たちの話は、我々にしたら壮絶だ。
彼らの話はそれぞれが戦後芸能史の貴重な証言であるが、著者が参考文献を丹念に当たって、裏取りしてくれていることで、誇張やハッタリは排除され、歴史資料としての価値がある一冊となっている。
登場人物六者六様で、それぞれが常人離れしているので、直接接したことのない世代でも、驚きと好奇心を持って読める。
間に入る写真も哀愁があっていい。
ネットで、亡くなる4ヶ月前の月亭可朝のPVを発見。
今となっては、心に沁みるブルースだ。