コーヒー飲んだあと、30分昼寝

最近読んだ健康生活コラムに「睡眠不足はアルツハイマー型認知症のリスクを高める」とあり、当てはまる私は興味深く読みました。
以下に要約します。

睡眠の役割のひとつに、脳にたまっている老廃物の除去があり、その老廃物であるアミロイドβペプチド(Aβ)は、アルツハイマー型認知症の発生要因のひとつで、起きて活動している間に増加蓄積し、睡眠中に除去され減少するとされている(1)。
実際に、睡眠の質が悪い人は、アミロイドβペプチドが異常量であることが多いと報告されており、アルツハイマー型認知症のリスクを高めるのではないかと考えられている(1)。

このアミロイドβペプチドは長い年月をかけて蓄積するもので、ある研究では、アルツハイマー型認知症発症の15年前から蓄積が生じていたと報告されている(2)。
よって、アルツハイマー型認知症の発症リスクを低下させるには、若い世代から睡眠のあり方について考えることが大切である。

また、高齢者においては、短時間の仮眠をとると、アルツハイマー型認知症の発症率を低下させることが報告されている。
ある研究では、仮眠をとる習慣がない人に比べて、30分以内の仮眠をとる人はリスクが1/6と最も低く、30~60分とっている人は1/3にリスクが低下したとの報告がある(3)。
ここで注意したいのが仮眠のとり過ぎで、仮眠が60分を超えてしまうと、逆に発症リスクが2倍になってしまうことが指摘されているということは、習慣的な短時間仮眠は効果があるが、長すぎる仮眠はかえって逆効果だということ。

しかし、たった30分の仮眠では起きるのが辛い。
対策としては、仮眠をとる直前にカフェインを摂取すれば、30分程度で目を覚ましやすい。
カフェインの覚醒効果は、摂取してから15~30分程度とされており、カフェインが効き始める頃にスムーズに仮眠から覚めることができる(4)。

これからは、昼食後、コーヒー飲んで30分の昼寝ですね。

参考文献
1- Yo-El S Ju, Sleep quality and preclinical Alzheimer disease, JAMA Neurol.
2- 日本神経学会, 認知症疾患診療ガイドライン2017, 医学書院
3- 堀忠雄, 夜型社会の睡眠問題, 日本生理心理学会
4- 井上雄一, 眠気の科学ーそのメカニズムと対応ー, 株式会社朝倉書店

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