エル ELLE
12作目
2016年フランス・ベルギー・ドイツ合作のスリラー作品。
監督はポール・バーホーベンで、彼の作品の中では「氷の微笑」が同ジャンルであろうが、鑑賞後のなんとも言えん気分の悪さは、本作の方が上でした。
主演のイザベル・ユペールが60歳超えてこの役を演じたのも驚きましたが、当初主演依頼を考えられていたニコール・キッドマン、ダイアン・レイン、シャロン・ストーン、ジュリアン・ムーア、シャーリーズ・セロンなどのハリウッド女優陣が演じたがらなかったのも頷ける、勇気がないと関われない作品だと思う。
本来なら隠すべき欲と癖を露わにして、それでも個々が毅然としていられるのは、個人主義が徹底しているあちらの国の方々だからか。
そのなかに1人だけ、信仰心に支えられ気丈に振る舞う女性がいるのだが、逆にその感情を抑えすぎた様にも違和感を感じてしまった。
見た目に反してデリケートな私には、適応できない世界です。