エディ・クラーク死去

インフルエンザで寝込んでいたとき、久々に黒川飲み時代のK兄貴からラインが入った。

意識朦朧状態だったけど、何かあったのかと確認してみると「R.I.P. エディ」とあって、飲んべえの兄貴らしい、しかし闘病中の私には見たくもない画像が添付されていて、申し訳ないと思いつつ既読のまま放置。

2日経過して、まだ寝込み中だが他人との連絡が億劫でなくなってきたので、改めて兄貴のラインになんも疑うことなく

「んっ? レミーでしょうが。ヴァン・ ヘイレンが死んだと思ったがな」

と返信。その後すぐに

「え~マジかよ。モーターヘッドファンとして憚らない人がエディの死をしらんのかいな。がっかりやわ。初代ギタリストの”Fast” Eddie Clarkeのことやがな。1月10日に肺炎で亡くなってるんよ。レミーが亡くなったのは2年前でしょうが。デビュー作『Motorhead』(1977年)から5枚目『Iron Fist』(1982年)まで在籍したんよ。モーターヘッドの代表曲「Ace Of Spades」のギタリスト知らないの?マジで?」

と、勉強できん坊が教育ママに罵倒される勢いの返信を受け、病床の私は精神的に更に落ち込んだ(兄貴、冗談でっせ)。

エディ・クラーク

兄貴の解説通り、イギリスの元祖スラッシュ・ハードコア・爆走型ロックンロールバンド・モーターヘッドのオリジナルギタリストとして、バンド最初の黄金期である70年代後半から80年代初頭を牽引したメンバーであり、もちろん私もリアルタイムではないにしろ数年後に原点回帰、彼らの音楽の洗礼は受けた。

がっ、

やはり私は兄貴より一回り若い世代だった、いつも生意気な私を相手にしていた兄貴には自覚がなかったのかもしれないが。
と言うのも、私にとってエディ・クラークといえば、モーターヘッド脱退後に結成したファストウェイのエディなのだ。
彼と元UFOのピート・ウェイによって1983年に結成されたブリティッシュハードロックバンドのファストウェイで、最も鮮烈だったのはジャニス・ジョプリン+ロバート・プラントのような歌声の無名の新人デイヴ・キングの存在なのだが、アルバムを重ねて聴けば聴くほど、エディのギターサウンドにファンは魅了された。
その証拠に、彼がリーダーシップを取れなくなったアルバム3枚目以降、売上は下降線を辿った。
彼の音楽性がバンドの核だったということだ。

根が貧乏症だから、病床の身でもちょっと回復してくると、時間を持て余すようになる。
懐かしくなって寝床にノートPC持ち込んで、ファストウェイのPVやライブ映像をYouTubeで漁ってみるが、これが悲しいほどにヒットしない。
やっと音声だけもので、大好きだった2曲を探し出した。

逆に、モーターヘッドのエディ・クラークで漁れば出るわ出るわ、やはり兄貴の認識が世界基準で私は圧倒的マイノリティであったことを痛感した。
しかしいろいろ探索中に、ファストウェイ名義で彼の生前最後の作品であろうCDを見つけることができ、視聴したら私が好きだった頃のサウンドが蘇っており、アマゾンレビューに「骨太ブルーズロック、セールスのターゲットはR40、いやR50」とあり即買い。

マイノリティ、即ちこれ聴いて想いを寄せる、世界中でも稀有な存在だろう自分だからこそ、妙な優越感に浸りながら追悼することができました。

長文失礼、よって私にとってはファストウェイのエディ・クラーク R.I.P.

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