ありがとうU.W.F. 母さちに贈る

最初本書の存在を知ったとき、良い印象はなかった。
昨今のUWF再検証ブームによる出版物発行の波に乗って、30年近くも沈黙していた人物が、今頃発言する理由と意味が想像できず、てっきり金銭欲に駆られての執筆で、その割には自らの発言に後ろめたさもあるが故の自費出版なのかと。
実際地元の書店を当たってみたが売っていなかったので、アマゾンで購入し一気に読破した。

一読して衝撃を受けた。

のちに裁判になっても資料として利用できるほど、回想録というには詳細すぎる金銭の動きは、㈱UWFの経理を全て取り仕切っていた著者だからこそ書けた内容、第十一章からの著者が受けた誹謗中傷に対する明確な反論は、読んでいて納得できるものばかりで、当時会社の経営状態を著者以上に把握する者は他に存在せず、従って著者の主張を感情論以外で反論できる人物は、今後出現しないと思われる。

しかしUWF信者の自身が本書読了後、著者に対して悪印象どころか感謝の気持ちが湧き上がるのは、著者が何の為に30年近くも沈黙したかの理由による。
著者の沈黙のお陰で、私はU.W.F.解散後も其々のプロレスラーの活躍に興奮できたし、前田日明原理主義者にもなれたという考えに至ったし、本書の内容も全て飲み込んで、これからも主義を貫くだろうと思う。

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