飼主さんの用心深さ

重度の口腔内の病気で、食餌が十分に取れなかった患者さん。

飼主さんの病気に対する理解と対応、地道な投薬によって、時間はかかったが幾分病状が改善されてきた。
ウサギの顔つきも綺麗になって、満足に採餌できるようになり、体重は増加、毛艶や皮膚のハリも復活してきた。

順調ですからこのまま投薬を続けましょう、と指示したあと飼主さんが

「ぐたーっとしているところを見るけど、薬が身体にキツいのかなー?」

と何気なくぽろっと話した。

「うーん、これだけ状態が改善しているし、身体に負担の大きい薬を処方しているつもりはないからなー、それって、ひょっとして、以前より満足に採餌できて、くつろいでいるさまなのかもね。でも、やはり気になるようなら、今一度精査してみましょう」

と、もう一度診直してみることに繋がる。
毎日、一日中、愛情を持って接している飼主さんの愛兎を見る目は、ときとして獣医学的な知識がなくとも、病気を見つけてくれることもあります。

結果問題が無かったとしても、飼主と獣医師が用心深くウサギを観察し、連携することは大切なことです。
ウサギは、イヌ・ネコ以上にポーカーフェイスで病気を見せない動物ですから。

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