縫針食べようとした
20年のウサギ診療歴で2匹目、縫針イタズラ食いした患者さんが来院した。
レントゲン検査で、飲みきれない縫針が口の中にしっかり写っている。
気をつけて口の中を調べると、そのままなんとか取れそうな針が確認できたので、引き抜いた。
ウサギは好奇心の強い動物ですから、飼主さんに叱られるとわかっていながら、様々な異物を口に入れようとする動物です。
また、レントゲン写真と飼主さんの聴取からわかることですが、この子はペレットとオヤツ中心の食餌をずっと続けており、内臓脂肪を貯め込んだ肥満です。
牧草をしっかり食べずペレットを主食にすると、楽して時間をかけずに腹を満たすことができます。
それはウサギにとって、一日暇な時間を持て余し、口元が寂しいから、目につくものを食べようとする機会を増やすことになります。
牧草不足の不的確な餌は、イタズラ食いを助長するのです。
よってこの子は、針が取れて一安心、今後は飼育環境の見直しと、適正な食餌へ切替、ダイエットが必要となります。