安静が正しいとは限らない

ウサギが病気になったら動物病院に受診するのですが、治療によって一気に快方に向かうものばかりでなく、完全復活までに数日〜数週間を要する病気もあります。

例えば食欲不振を訴えて日にちがかかっている病気の場合、飼主さんは愛兎の一刻も早い回復を願って、安静を保つようにするでしょうか?

ウサギは草食動物で長い消化管が特徴です。
その消化管を首尾よく動かすためには、じっとしているより身体を動かしたほうが良いとされています。
しんどい状況の愛兎の尻を叩いて動かすのはダメですが、ウサギが自ら望んで動こうとするなら、その意思を尊重したほうが、病気が回復に向かう時間を短縮できると思います。

例えば斜頸になってしまった場合、平衡感覚が保てず転げ回る愛兎の安全を考慮して、安静を保つようにするでしょうか?

もちろん治療中にケガや骨折を併発してしまっては、更に愛兎の苦痛になるどころか、場合によっては命を落とす事故にも繋がりかねませんので、療養中の飼育環境はバリアフリーにして、アクシデントを未然に防ぐ対策を取らないといけません。
しかし、神経症状に悩まされながらも、同時に日常生活に復帰するトレーニングを開始するウサギは、早い段階で自力採食、トイレでの排泄、歩行・走行、毛繕い・糞食などが可能になるようです。

病気の状況を的確に把握すれば、斯様に安静が正しいとは限らない場合もあるのです。

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