ウサギは人を見る
ウサギは絶食に耐えられない動物ですから、病気を治療し病状が回復するまで、強制給餌で間を持たすことがよくあります。
ウサギ用流動食を先太のシリンジに詰めて、無理やり食べさせるのですが、初回は必ず私が実演して飼主さんに見せます。
飼主さんに強制給餌のやり方を教えるのが第一義。
次に、ウサギがヒトに従うことを許容できる性格であるかどうかを見極めるため。
生まれて初めて口の中に食べ物を強引に突っ込まれるのですから、最初の一口は驚きと戸惑いで、ウサギは結構派手に抵抗するものです。
しかし二口三口と食べ進められるうち
「ああ、このオッさんは隙がないから逃れられないな」
「あれ?、なんだかこっちのリズムに合わせて、いい感じで食べさせてくれるじゃん」
と、納得しだしてシリンジ一本を完食する頃には、私に対しては従順なウサギに変身しています。
そして次に来院するときも殆ど逆らうことなく、様々な処置を許してくれます。
ウサギはそれくらい人を見る目に長けています。
ですから日々、飼主さんは見下されないよう勝負なのです。
ご機嫌とりで可愛がるだけではダメですよ。