ウサギの腹部触診
ということで、3ヶ月に1回のウサギの爪切りの際、短時間でするチェック項目で分かる事。
1)腹部触診について述べます。
簡単に言えば、お腹全体を掌で触って、その感触から消化管や腎臓、膀胱、♀なら子宮などの状態を評価する検査です。
胃や盲腸の大きさ、固さ、ガスの溜まり具合から、消化管の運動性が分かります。
左右の腎臓の位置関係や大きさ、膀胱の蓄尿状態や砂・結石の有無から泌尿器の評価をします。
子宮に腫瘤があれば、年齢や尿の状態と合わせて子宮癌を疑い診断を進めます。
また、ウサギは被食者として狙われないように、見かけ上分からないように隠して太ります。すなわち内蔵脂肪を貯め込む動物なのです。ですから初期の肥満は外観上は分かりません。腹部を触って確認する事で、ある程度把握でき、肉眼的に確認したければレントゲン検査へ進みます。
以上のことを飼主さんが日常飼育の中でマスターする事は難しいでしょう。
あまり細部まで無理して触ろうとすると、内蔵器官を痛めますので危険です。
しかし、普段から軽ーく触れる事によって、消化管の良好な状態を認識してもらい、異常時と比べられるようにしておくと、更に進んだウサギの健康管理が可能になります。
実際に当院には、それができるプロフェッショナルな飼主さんが何人もいますよ。